2025年05月09日 NEW 株式会社ジェイコム九州
〜女性特有の健康課題が当たり前に知られている!知ることで広がる、社会の可能性〜

株式会社ジェイコム九州は、ケーブルテレビ、インターネット通信などの情報通信サービスを通じて、地域社会の発展に貢献している会社です。地域に根ざした活動を展開し、多様なニーズに応えるサービス提供を目指しています。今回は、性別に関わらず誰もが活躍できる職場環境づくりに向けて、どのような取り組みを進めているのか、その具体的な内容や背景、そして実際に働く社員の方にお話を伺いました。
〜正しい知識を広げ、誰もが活躍できる社会へ〜

【性別に関わらず、誰もが活躍できる職場環境づくりに向けた取り組みについて、お伺いします。】
(人事・管理統括部アシスタントマネージャー 小薗さん)
大きな取り組みとしては「女性特有の健康課題への理解の促進」です。これは男性に限らず、女性自身も理解ができていないところがあり、正しい知識を性別に関わらず皆が理解することが大切だと考えています。令和6年度「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」実証事業において、職場において女性特有の健康課題について相談ができる環境整備と女性の健康プラットフォーム「Cotton」の提供を行いました。正しい情報を得て、適切な対応を取ることを目的に、「女性の婦人科検診受診率向上」にも取り組んでいます。生理や更年期に伴う不安や不調があっても、例えば、生理痛がきつい時は市販の鎮痛剤を飲んでやり過ごすなど、ひとまずどうにかする・我慢することに慣れてしまっている女性が多く、婦人科の受診まで辿り着かないことがほとんどです。不調の軽減、病気の早期発見につながるよう、医療監修を入れて、婦人科受診の重要性を伝える取り組みを行っており、ジェイコム九州社内で実施した調査では、38%だった婦人科受診率が、取組み後は61%まで向上しています。婦人科を受診することで、効果のある専門的な治療を受けることができますので、より生活しやすい、働きやすい状態になるのではないかと考えています。
職場の環境整備では、管理職向けセミナーを開催し、管理職層が女性特有の健康課題を理解し、女性社員と相談しやすい関係性を構築することを目指しています。ジェイコム九州社内では、相談しやすい環境について、取り組み前74%から、取り組み後82%まで向上し、管理職のリテラシーについても、81%から98%まで向上しており、女性特有の健康課題が浸透し始めたのではないかと考えています。
このような取り組みを始めたのは、社内での女性の健康に関するセミナーがきっかけです。その時は産婦人科の先生のお話だったのですが、女性自身も知らないこと、薬や治療について昔の知識のままになっていることが多くあり、もっと早く知っていたら、より良い学生生活、働き方ができたのではないかと思い、社会人だけでなく若い世代にも広く伝えていくために、このような取り組みを始めました。
こういった取り組みは、同じ職場で働く人だけでなく、家族やパートナーへの配慮にもつながると感じており、正しい知識・新しい知識を学び、リテラシーをアップデートすることで、関係する周りの人にも知識が広がっていくことが大切だと考えています。
また、育児や介護といったライフステージの変化に対応した制度も弊社では整えています。介護・育児休業はもちろん、育児短時間勤務制度については、弊社では小学校6年生まで取得できます。男性の育児休業についても、「男性育児休業100%取得」を目標に掲げ、希望する男性社員に関しては100%取得しています。それぞれのご家庭で話し合った結果希望しない社員もいますので強制ではありません。育休取得期間も様々ですが、まずは上司にいつでも相談できる状態にし、上司が制度をしっかり説明して、自分で選択することができる環境を用意しています。育児休業からの復帰の際には、男女関わらず必ず面談を実施し、自身のキャリアに関する意向なども確認しています。
キャリアについては、会社の方針として性別に関わらない自律的なキャリア形成を推進しており、各自が相談し、様々な選択ができる環境を会社は用意しています。その中で社員自身が中長期的な目標を立て、必要な能力開発、スキルアップを自分から率先して取り組むことも支援しています。
元々弊社では女性活躍推進、健康経営推進に力を入れておりますが、経営層から継続的に「健康の大切さ」と「男性女性の区別はない」というメッセージを社員に発信しているので、様々なことに取り組みやすい企業風土が醸成されていると思います。
今回の取り組みで婦人科受診率や女性特有の健康課題に関するリテラシーの向上、管理職のリテラシー向上には大きな効果を得ることができました。しかし、女性の昇進意欲、管理職志望の意向については、大きな変化が見られなかったので、今後も継続して健康課題と併せて、女性のキャリア形成に関する研修に取り組んでいきたいと考えています。
~自分の思いと相手への共感を大切にし、活き活きと楽しく働く姿が次の世代に繋がっていく〜

個別インタビュー(地域コミュニケーション統括部 メディア・プロモーションチーム長 河野さん)
【現在のお仕事についてお伺いします】
現在は地域コミュニケーション統括部でメディア・プロモーションチーム長という役職をいただいています。基本的には自治体や行政の方向けに、当社のリソースや様々なサービスを提案し、地域のみなさまのニーズにお応えし、地域社会の課題を一緒に解決していくという仕事をしています。
【現在の働き方についてお尋ねします。育児短時間勤務を利用しているとお伺いしました。】
妊娠を期に産休、育休を経て、復職し、現在に至るまで育児短時間勤務を利用しています。現在、子どもが小学生なのですが、当社の場合、小学校6年生まで育児短時間勤務制度が利用できるため、引き続き時短で働かせていただいています。もちろん、小さなお子さまがいても、フルタイムで勤務されている方もいますし、本人のライフスタイルに応じて働き方が選択できるというところが、当社の良い部分だと感じています。育児短時間勤務制度を利用している社員も多く、利用に際して躊躇することもありません。チーム長となったことで、チームメンバーよりも先に私が帰ってしまうため、当初は不安もありましたが、上司やチームメンバー含め、周囲の理解やサポートもあり、育児と仕事を両立して働くことができています。
当社ではいつも「3K『感謝』『寛容』『謙虚さ』を大事にしなさい」ということを掲げています。これは、仕事の上だけでの言葉ではなく、自身の普段の生活にも生きてくることで、あたり前のようで、ついつい忘れがちなことです。何にでも謙虚さを持つ、周囲への感謝の気持ちを忘れない、自身と違う意見にも寛容さを持つといったことは、意識しないとなかなかできません。その言葉を日々思い出しながら、会社のメンバーや家族に対しても、配慮の意識を忘れないように普段の生活において心がけています。
会社としても、性別や年齢に関係なく働きやすい環境です。昨年役職をいただいたのですが、時短勤務をしていることで、管理職になれるのか不安だった時期もありました。ですが、上司との面談で、当社では働く時間ではなく、能力・成果で評価されることを改めて理解し、管理職を目指すことができました。管理職になるために、社内の女性活躍研修の受講や資格の取得、業界の企画提案コンペに応募・入賞するなど、限られた時間の中で自身のスキルアップのために努力を重ねてきました。なお、資格の取得に関しては、社内の資格取得支援制度を活用しました。自分自身が「時短勤務中の管理職」という仕事と育児を両立した働き方を体現することで、今後会社を支えていく若手社員や新入社員に対して、多様な働き方のひとつとして見せられるよう、周囲に支えられながら今の働き方をしています。
【御社での働きやすさについてお伺いします。】
まずは、子育て中の社員に配慮した制度が整備されていることがあげられます。例えば、子の看護休暇制度は、1時間単位でも取得可能ですので、子供の急な体調不良等により早退が必要となった場合にも取得可能です。また、研修制度が充実していることも働きやすさにつながっています。当社では、オンライン学習コンテンツが導入されており、それぞれが専門性を高めるために、幅広いテーマの内容をいつでもどこでも学ぶことができます。スマホでの視聴も可能なため、通勤中などのすき間時間を活用して、学習することも可能です。研修内容は多岐に渡り、業務スキルといった基本的な内容だけではなく、女性特有の健康課題である不妊治療やこれから迎えるであろう更年期・性別による特有の健康課題やライフステージについてなど、経験していない・経験できないことについても会社で学べるということが、業務上においても普段の生活においてもプラスにつながっています。先日は男性の更年期について社内研修があったのですが、男性にも更年期があるということ自体、研修を受けるまでは知りませんでした。
このように社内研修を通じて、幅広い知識を習得し理解を深め、自身が体験できない事に対しても知識があることが、周囲への配慮につながります。多様な人がいて、多様な働き方がある職場において、研修を通じて相互理解を熟成することが、働きやすい職場環境作りにつながっていると感じています。
【将来像についてぜひ教えてください。】
昨年管理職になったばかりなので、チームマネジメントについて経験を積み、信頼してもらえるリーダーになるべく、研修や実践を通じて私自身の日々の成長が必要不可欠であると感じています。また、チームメンバーに対しては、それぞれが個性を活かし、やりがいを持って働くことができる職場環境作りを意識しています。
現在担っている業務のミッションについては、会社としても新しい分野のため、前例が少なく苦戦する部分も多いですが、その分、自らの手で切り拓くことができるやりがいや面白さを感じています。事業を軌道に乗せ、会社のビジネスの柱となるように成長させることが当面の目標です。
長期的なキャリアプランとしては、さらに上位の役職を目指しており、会社全体の戦略に携われるような存在になるべく、育児と仕事を両立させながら、足を止めることなく成長を続けたいと考えています。
【聞き手所感】
今回のインタビューを通じて、株式会社ジェイコム九州が進める女性活躍推進の取り組みが、単なる制度の整備にとどまらず、実際に社員の働き方や意識の変革につながっていることを強く感じました。特に、女性特有の健康課題に関するリテラシー向上が、職場の環境改善だけでなく、家族やパートナーへの理解促進にも貢献している点は非常に印象的でした。「女性自身も知らないことが多い」という言葉が象徴するように、健康課題はまだまだ社会的な認知が不足している領域ですので、今後もこうした取り組みが広がり、多様な人が安心して働ける社会へとつながっていくことを願っています。