2024年05月09日株式会社to plan
〜今の時代こそ自由な働き方が良い!働きたいという思いを持った女性が、輝ける社会に!〜
株式会社to planは、自社事業のほか、他企業や団体・個人のイベントの企画立案、告知物制作、女性・親子目線の商品企画、SNSでの発信・運営まで幅広く手掛け、「生み、そだてること」を使命とする会社です。今回は高橋社長に起業の経緯と今後の展望を、一緒に働くフリーランスの方々にその働き方や将来像についてお話を伺いました。
〜“自由な働き方で働きたい“を応援し、やりたい仕事が選べる社会へ~
【起業の経緯について教えてください。】
高橋:2019年に起業し、事業を行っています。私自身、実家が遠く、子どもをほとんど1人で見ているような状態のなか、子どもを見ながら自分ができる仕事を探して、自営業で続けてきました。
子どもが中学3年生と小学6年生になり、少し手が離れたため、やりたいことを形にしたい、お手伝いしていた仕事を大きくしていきたいという思いから、2023年2月に法人化しました。
事業としては、主に母親や親子向けのオンラインを含めたイベント運営のほか、女性向けの商品の企画や広報などを行っています。広告代理店の仕事を長くしていましたので、色々な業種に対し広く仕事を受けています。
【“母親”に着目したのはなぜでしょうか?】
自分が活動していた中で、子どもが幼稚園にいる間の数時間を何かに使いたいという方が沢山いて、そういう気持ちを持った方たちを、サポートしたいという思いがありました。
世の中は、フルタイムの共働き世帯を応援する制度は色々ありますが、フルタイム以外の働き方を応援する制度はまだ少なく、自分ができる範囲で、少しずつ働いていきたい人に対してのステップはあまり用意されてないと感じています。
業務委託として、自分でできる範囲で働きたい方に声をかけ仕事をしていただいています。これからもこのスタイルを続けていきたいと思っています。
【イベント事業として力を入れている「フェムテック」についてお話を伺います】
フェムテック(※1)・フェムケア(※2)という分野にも力を入れたいと思っています。女性は、生理や更年期など、身体的なトラブルが原因で、社会に出る一歩が失われたり自信をなくしたり、という事があり、女性の就労に関する課題だと思っています。女性特有の健康課題に目を向けてもらえるよう、企業に対して、また男女ともに知識として知ってもらえるように事業を行っています。まずは、知ってもらうことが大切だと考えています。
※1 フェムテック(Femtech)とはFemale(女性)Technology(技術)を掛け合わせた造語で、女性の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービスの総称
※2 フェムケアとは女性の健康問題をケアする製品やサービス
【女性の健康課題に関してはどのように捉えていますか?】
女性の月経随伴症状による労働損失が年間4,900億円程度(※1)、更年期による損失が4,200億円程度(※2)と試算されており、合わせて1兆円近い規模であると言われています。生理に関しては、様々な対策がされてきていますが、更年期症状については、まだ対策や知識が不足しており、イライラしているよねと言うことだけで済まされてしまうことが多いと感じています。更年期症状は個人により異なり、症状の重さも様々です。社会全体がこれらの課題に理解を示すようになれば、時間に制限のある女性も含め、誰もが働きやすい職場が広がっていくのではないかと思います。
※1 経済産業省「働く女性の健康推進に関する実態調査2018」
※2 NHK「更年期と仕事に関する調査2021」
高橋:働き始めた頃は、夫は“妻には働いてほしくない”というスタンスだったので、子どもを預けて働くということができませんでした。
最初は少しずつ仕事を始めました。9時から15時までの平日の募集を出している企業があったのですが、当時はその時間帯では働くことが難しく、面接時に、「この時間では働けませんが、私ができる範囲で一生懸命働くので1か月いくらかで、私を雇ってくださいませんか?」と交渉し採用されました。短時間で働いていたことが今の仕事にも繋っています。
私が2019年に自営業として始めた時も、夫からは反対されました。その後、新型コロナウイルス感染症が流行し始め、社会の急激な変化で、夫の仕事の状況も日々変わり、改めて私は私で頑張ろうと決断しました。コロナ下で世の中が大変な中、私が前向きに仕事に向かうことが、夫は嬉しかったようで、夫も少しずつ変わり始めました。
会社設立については、夫から「会社にしちゃったら?」と提案がありました。自営業を始めたときに反対されましたが、その後、夫の後押しもあり、現在に至ります。やはり、家族の応援は大きかったですね。今はとても協力的です。
【今後、誰もが働きやすい環境を作るために、何かお考えがあればお教えください。】
働ける能力があるのに時間的制約などで働くことができない人たちに仕事を分業していきたいと考えています。制限がありながら働きたいという方は多くいると思います。子育て中の方だけでなく、高齢者や学生の方など、それぞれの働ける時間を使って活動しやすい形に社会が変わっていければと思います。現在のテクノロジーを活用すれば可能だと思います。
~自分の軸を大切に。オフの中で仕事をして、家族で楽しく笑っていられるように~
【現在の働き方についてお伺いします。】
結婚後、専業主婦でしたが、子どもが小学校へ入学するタイミングで、週3回・一日4時間のパートとしてコールセンターで働き始めました。しばらくすると、以前スーパーバイザーの経験があったため、その仕事を任されるようになりフルタイム勤務となりました。
仕事ができる喜びとやりがいから、いつの間にか、仕事を優先し家庭に影響がでるようになっていました。在宅勤務になった時も、仕事とプライベートの区別がない状態でした。子どもたちが朝の準備をしている場で、仕事の資料を作ったり、学校からの帰宅後もずっとパソコンに向かっている状態になっていました。
自分の思い描いているワーク・ライフ・バランスではないと感じ、その会社を退職しました。
今後は家庭を中心に生活していきたいと思っていたところ、高橋から仕事の依頼があり、今は自分のペースで働くことができています。
今後、社会情勢の変化のなかで、その時の状況に合わせて自分の仕事を選ぶことができるようになればいいなと考えています。
【仕事のオンとオフはどのようにされていますか?】
今はほぼオフの状態ですが、そんな中でも自分の興味がある、ファッションや美容、体のケアなど、生活の延長線上に仕事がある状態です。買い物の時に「これは仕事に使えそうだな」と、考える癖がついています。「オフの中で仕事をする」というのが私にとっては理想の働き方ですね。母親として家庭で笑って生活していきたい、そこの軸はぶれずにやっていきたいと思っています。
【今後の将来像についてお伺いします。】
子どもが3人いるのですが、1番下の子が小学校2年生になり、手が離れるようになり、少しずつ自分のために使える時間が増えてきました。今までは自分のことは後回しだったので、今後は自分のやりたいことに時間を使いながら、それが仕事にも繋がれば良いなと考えています。
子どもたちも私が仕事をしている様子を見ることが好きなようで、「ママ、次何するの?」と嬉しそうに話しかけてくれます。それも本当に嬉しかったです。人生のなかで仕事でも生きがいを感じながら、家族で楽しく生活していきたいなと思っています。
~自分の好きなことや得意なことで輝いて、尊敬しあう家族をこれからも大切に~
【現在の働き方についてお伺いします。】
結婚前は看護師として働いており、バリバリ働きたいと思っていました。結婚を機に、夫と話し合い、専業主婦になりました。今の時代とは逆行しているかもしれませんが、夫は、専業主婦の家庭で育って、母親が家にいることで良いことが沢山あったという考え方でした。そういう考えもあると受け入れ、可能な範囲で仕事をしていきたいと思っています。
下の子が幼稚園の年中になった頃に、看護師免許が必要なちょっとした仕事の話をいただいて、自分にできることだったので、年に何回か、働くようになりました。
そうすると、子ども達が「ママも仕事している!」と尊敬してくれるようになったんです。
やはり子ども達や夫からの尊敬もありながら働けるスタイルが私の理想であって、その仕事は私の価値観にちょうどフィットしていました。
【今の働き方を教えてください。】
今は高橋さんと一緒にイベント事業で関わらせていただいています。イベントをするということが得意で、色んな人を巻き込みながら楽しく仕事ができています。周囲のママ達は、能力を発揮する場がないだけで、仕事として任されると、活き活きと能力を発揮し仕事をされています。そういった方と一緒に仕事ができる事がとても嬉しい時間です。
子どもが幼稚園生の時は、公民館などを借りて四季のイベントを開催していました。人を集めたり、情報を収集して発信するということは得意で、ちょっとした空き時間にでき、今の働き方を始めました。
夫はそういう私の仕事内容や働き方に対して尊敬してくれていると感じており、率先して物作りや準備を手伝ってくれる事もあります。本当に今の家族の関係性がとても良い状態だと感じています。
【将来像についてお伺いします。】
仕事を通じて自分自身が輝き、また関わった人も才能を発揮でき輝くことができる場所を作る人でありたいと思っています。高橋さんとの繋がりのおかげで、私も輝けていると感じているので、そういう機会を増やすことができたらいいなと考えています。家族についても、夫・子どもに「私がママでよかった」と今以上に思ってもらえるようになれたらと思っています。
【聞き手所感】
今回は起業された経緯や、時間制約があるなかで、自分にあった働き方をされているフリーランスの方々にお話を伺いました。フェムテック・フェムケアについてはまだまだ認知度が高いとは言えませんが、広く浸透させる必要性を強く感じました。母親だから、女性だからと何かをあきらめなければいけない社会より、各個人の得意が自由な形で活かせる社会の方が、多くの人々が輝くことができると思います。今回は貴重なお話をありがとうございました。