〜建設業界だからこそ女性活躍、ダイバーシティを積極的に推進!働く社員の夢と豊かさを大切にすることで社会の夢と豊かさを支える~

株式会社ケイ・テクノスは「社業を通して社会への貢献を基本とし、お客様から信頼され感謝される技術集団となり社員の夢と豊かさを実現する企業を目指す」という企業理念のもと、情報通信インフラの構築や、クリーンエネルギー分野、電気・空調工事などのビル設備分野などの事業を展開している会社です。男性が多いイメージの建設業界でありながら、女性活躍、ダイバーシティ推進に対して積極的な取り組みを行っています。今回、その経緯と取り組み、実際に働く女性社員のお話を伺いました。

〜女性活躍、ダイバーシティを具体的に推進することが企業・社会の豊かさにつながる〜

代表取締役社長 藤本 孝さん

【御社の女性活躍推進に対する取り組み、特にえるぼし3段階の取得の経緯についてお伺いします。】
藤本社長:
私は東京にある親会社のエクシオグループから3年前に着任しました。前職では人材育成推進役などを兼務で担当しており、女性活躍の取り組みを考えるチームにサポート役として関わっていた経験もあり、こちらに着任した時に、女性活躍推進に力を入れようと、えるぼし3段階の取得に至りました。

総務部担当部長 佐々木さん:
グループ会社でも、えるぼしやくるみんの認定を取っていたので、弊社でも取得したいと考えていたところ、藤本社長が就任したことをきっかけに、取り組みを進めることができました。

藤本社長:
企業としては、えるぼしの認定を取得することで、新卒の方に限らず働きたい女性に対するアピールにもなります。実際に女性社員も多く、男性社会と言われる建設業界であっても、女性が活躍することが、企業の成長にとって非常にプラスになる。そういう思いで、佐々木とともに、取り組んできました。

〜契約社員の方を正社員へ。積極的な会社の姿勢〜

藤本社長:
着任した3年前、契約社員には女性が多かったのですが、本人が希望するなら正社員にしないとおかしいと思い、4名の方に契約社員から正社員になっていただきました。日ごろの業務はもちろんのこと、様々な資格取得にも挑戦してもらい、皆さん、熱意をもって活躍しています。

総務部担当部長 佐々木さん:
契約社員から正社員なった社員が、建設関係の国家資格も取得するなど、職場の活性化につながり、会社全体がとても良い方向に向かっています。

藤本社長:
2級土木施工管理技士という国家資格があるのですが、現在、女性社員が1名取得しており、更に上の1級を目指しています。(今回インタビューを受ける)石橋も、建設業経理士など建設に関する資格を目指しています。建設業界では、資格があることで工事の受注や入札に有利になるので、性別に関係なく資格を取ってもらうことで、会社として事業拡大につながり、最終的には利益として、社員の皆に還元できると考えています。
企業理念に、「社員の夢と豊かさを実現する企業を目指す」とありますが、企業として夢と豊かさを求めるためには、社員が夢を持つことが大事です。夢を持つと目的意識が生まれ、皆さん活き活きと日々を楽しむことができ、それが豊かさにつながるのではないかと思っています。豊かさというのは人それぞれですが、お金、社会的地位、物、時間、やりがい、愛であると思っています
社員には3つ持ってほしいものがあると常々伝えています。「主体性を持つこと」、「やりがいを持つこと」、そして「明るい未来に対しての期待を持つこと」を持つことで、仕事もプライベートも活き活きとしてくると思いますので、今後も色々なことに取り組んでいきたいと思っています。

〜総務部だけで考えない。幅広い意見を聞くことで広がる多様性〜

総務部担当部長 佐々木 弓路さん

【御社では社員が意欲的にキャリアを築いていきたいと思える環境を作ることも大切にしていると伺いました。どのように取り組んでいらっしゃるのでしょうか。】
藤本社長:
まず、社員が何を考えているか、何を求めているかを知ることが大切です。そのため、若手社員をランチミーティングに誘い、「高校生や大学生から見て魅力のある会社になるためには、どういうPRをしたらいいのか」とか、「ホームページの作りは今の状態でいいのか」とか、若手の視点から意見を聞く機会を作っています。
また、これは予定ですが、女性社員との座談会やランチミーティングを通し、会社に何をしてほしいのか、職場環境として何が足りないのか等、社員が求めているものを聞きたいと思っています。今後は1つ1つテーマを決めて、社員と話をしながら、色々と分かち合うことを大事にしていきたいです。
そのためにも、話しやすい関係が大切ですので、社長だから話せないということではなく、対等に話ができる環境を作ることを私自身心がけており、今年の4月からは私が考えていることを社長通信という形で社員に発信し、会社としてどうしたいかを共有するようにしています。

総務部担当部長 佐々木さん:
若手社員とのランチミーティングでは、総務部だけでは思いもつかないことが聞けて、すごく良いミーティングになりました。今企画している女性社員のランチミーティングも本当に楽しみにしています。

藤本社長:
労働人口が減る人口オーナス期の中、大手ではない弊社において新卒採用の確保は、なかなか厳しい状態です。今はAIもありますが、建設業での導入はまだ難しいところであり、会社として継続していくためには人が入ってこないといけない。
弊社としては、機会があれば女性だけではなく障がいをお持ちの方を含め、様々な方を雇用していきたいと考えています。それによって多種多様な人材がいる多様性・ダイバーシティを構築することができ、色々な可能性が広がると考えています。

【女性のキャリア形成について伺います】
藤本社長:
弊社の社員の平均年齢は47、8歳です。女性社員については、20代の社員はいるものの、30代がおらず、40代後半と50代の社員がいるという状態です。。20代の社員にやりたいことをしっかりとやってもらうためにも、30代40代のロールモデルとなる先輩、女性管理者がいてほしいという思いはあるのですが、現実として、そのような人材がいないというジレンマもあり、これは弊社の課題でもあります。
そのため、女性の採用を増やし、多様で柔軟な働き方ができる環境を作っていかなければいけないと考えています。
福岡市が行っているキャリア支援セミナーなど、他社の女性社員との交流や、考え方や働き方等を学べる場に積極的に参加して欲しいですし、そういう機会を作っていきたいですね。

〜時間生産性を上げる働き方改革〜

【働き方改革について具体的な取り組みを伺います。】
〔所定外労働時間の削減やノー残業デーを目標に掲げていらっしゃいますが、具体的にはどのような取り組みをしていらっしゃいますか?〕
藤本社長:
まず、社員に「コアの時間を意識的に使う」という意識改革を図るため、4月から就業時間を30分短くして、7.5時間にしました。今のところ減った時間の分、オーバーをして残業するには至っておらず、自分がやるべきコアなことをしっかりと集中してできている状態です。コアではないその他の業務は会社全体でサポートするという体制で取り組んでいます。
同時に、DX化にも取り組んでおり、7月からDX人材としてSEの方をキャリア採用しました。日々の業務で“単純なのに作業量が多くて困っているもの”を中心に吸い上げてもらい、それを検証しながらRPA化、プログラム化し、徐々にDX化を進めています。本当に考えなければいけないこと、コアなことをやってもらうという体制の構築を推進しています。
DX化を推進することで以前より業務に余裕ができ、女性活躍、外国人雇用、障がい者雇用を意識し、在宅勤務、育児・介護休暇、時短勤務などの規定・規則なども、大企業とほぼ同等に整備することができました。
育児休業については、女性社員は100%ですが、男性社員の中にはパートナーの負担を考え1年間取得した者もいます。男性社員の育児休業の取得は、会社としても後押ししていきたいです。
勤務時間の7.5時間を自分が好きなようにずらすことができる「勤務時間変更」を導入しました。就業時間が9時始業17時半終業なのですが、早めに出勤して早く帰るということも可能で、理由は問わず事前に申請すれば利用できます。自分の働き方や生活リズムに合わせて、ある程度の自由を持つことは非常に大事なことだと思っています。
このような制度を整備することで、社員の意識が変わったと感じています。いかに集中して効率良くやるかを考え、「これが無駄だな」とか「これをやるのに本当にこの時間かけていいのか」など、業務の内容を精査し、優先順位をつけられるようになりました。職場環境を会社側が整備することの重要性を実感しました。

【今後の女性活躍の推進、女性の働きやすい環境を作るために、何かお考えがあればお教えください。】
藤本社長:
座談会やランチミーティングで社員の意見を聞くことを大切にしながら、女性管理者や女性のロールモデルを増やしていくことに取り組んでいきたいと考えています。
また、女性特有の健康課題について関心があります。今年、親会社の国際女性デーのイベントで「フェムテック」をテーマとしたフォーラムに参加しました。男性が生理痛を疑似体験することができ、女性特有の健康課題について男性が理解できていないことに気づきました。女性特有の健康課題は企業にとっても大きな労働損失であることがわかり、改めて、この社会問題を放置することは良くないと思いました。
今後は女性特有の月経や妊娠、産後ケア、更年期等について、男性社員が理解を深める取組みを行っていきたいと考えています。

~自分の豊かさを大切にすることで、活き活きと働く活力に~

総務部 石橋鈴風さん(=右)

総務部 石橋鈴風(すずか)さんへインタビュー

【入社のきっかけと現在どういった業務を行ってらっしゃるかお伺いします。】
私は社内の文書作成や来客対応、福利厚生等を担当しています。
入社しようと思ったきっかけは、ホームページ等で提示されている休暇日数が多かったことですが、実際に残業も少なく、休みも取得しやすく、プライベートの時間を充実できる職場でした。先ほど社長が言われていた「豊かさ」ですが、私の場合はオンとオフという意味でも「休み」だと思っています。弊社では就業時間の変更ができるのですが、それを活用して、ちょっと早く仕事に来て、午後はプライベートの時間として、自分へのご褒美、豊かさを作ることができています。

【働いている中で、大切にしていることや心掛けていることを教えてください。】
大切にしていることはコミュニケーションです。私はあまり現場に出ることがないので、メールや電話でしかやり取りできないのですが、相談や質問、何か小さなことでも、すぐに話していただけるような環境作りができたらいいなと思っています。そのためには信頼関係を築くことが大切で、回答の正確さやスピードも、顔が見えないからこそ意識しています。

【ご自身の今後の将来像について伺います。】
私は4年前に入社しましたが、今の仕事を大切にしながら、様々な研修に積極的に参加し、今よりもう少し視野を広げられたらいいなと思います。弊社では資格取得も含めて、夢に向かって挑戦できる職場環境が整っていますので、今後変化するライフイベントの中でも仕事を続けて、キャリアアップしていけたらいいなと思います。
これからも、弊社の業務であるインフラ設備を構築する現場を支え、その完成により、人々の暮らしをより良いものにし、社会に貢献していくことができれば良いなと考えています。

【聞き手所感】

男性が多いイメージの建設業界で、女性活躍、ダイバーシティを積極的に推進している点に大変感銘を受けました。特に、えるぼし3段階の取得や、女性契約社員の正社員化によるやる気の向上が資格取得や会社全体の活性化にもつながっているという事例、ランチミーティングや座談会を通じて社員の声を直接聞く機会を設けることで、働きやすい環境を整えている点などは、建設業界に限らず多くの企業にも参考になるのではないでしょうか。
社長と社員の距離を大切にしながら意見を積極的に取り入れる姿勢はインタビュー中にも感じられ、とても印象的でした。
単なる制度の整備にとどまらず、社員一人ひとりの夢や豊かさを実現するための具体的なアクションが伴っている点が本当に素晴らしく、今後も建設業界を牽引する企業としてのご活躍と成長が期待されます。

会社概要

株式会社ケイ・テクノス

福岡市南区玉川町7番8号

代表取締役社長 藤本 孝

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