〜「女性だから」は関係ない。資格取得と柔軟な環境整備で、社員の約3割が女性になった電気工事会社の挑戦〜

株式会社堀内電気は、福岡市に拠点を置く電気工事会社です。一般的なゼネコンの下請け工事とは異なり、工場や倉庫といった大規模なお客様や、太陽光発電関連の案件など、顧客と直接取引を行うことを強みとしています。電気工事業界というと男性社会のイメージが強い中、同社ではここ4、5年で女性社員が急増し、現在では全社員の約3割女性が占めています。今回は、特別な意識なく自然と女性が活躍するフィールドが広がった背景にある、資格取得への手厚い支援 や、社員のニーズに合わせた柔軟な環境整備、そして性別に関係なく活躍の場を提供する堀内社長の「想い」 について、詳しくお話を伺いました。

~「女性だから」の枠を外す。やる気主義と資格取得支援が、自然と社員を引き寄せる~

代表取締役 堀内さん

【女性活躍推進に取り組むようになったきっかけがあれば、ぜひお伺いできればと思います。】
堀内社長:
女性を雇用することを特に意識したわけではないんですが、一気に増えたのは、ここ4、5年ぐらいでしょうか。求人を出しても、男性の応募もなかなか無い中、女性の応募が結構ありまして、話を聞くと、とてもやる気のある方々が多かったんです。そのやる気を大切にして、男女関係なく採用をしていった結果、自然と女性社員が増え、今では女性社員の割合が約3割になっているという状態です。

【資格取得も男女関係なく推奨されていると伺いました。】
堀内社長:
男女関係なく、女性であっても資格を取得して欲しいと伝えています。費用は全額会社が負担しますし、資格を取得したら毎月の手当も出しています。実際、資格取得を推奨した結果、女性社員を含め、ほとんどの社員が電気工事士の資格を取得し、現場にも行って、様々な業務に従事してくれています。さらに、現場で様々な業務を経験すると、色々なことに興味が湧いてきて、もっと上の資格取得を目指すという、すごく良い循環が、社員の中で生まれていますね。

【男女問わない資格取得推奨が、会社全体に良い循環をもたらしているということですね。】
堀内社長:
後ほどインタビューを受ける那須も、元々10年くらい前からパートで働いてもらっていて、当時はお子さんも小さく、時短勤務をしながら事務で見積もりなどの仕事をしてもらっていました。お子さんが大きくなってからは本人の希望もあり、正社員に転換し、電気工事士の資格を、第2種、第1種と取得して、一番難しい1級施工管理技士という資格も去年取得されました。
身体的に女性に重労働はさせられませんが、資格取得を含め、設計業務とか太陽光の割り付け、資材調達などという業務は男女関係なくできますし、資格を取得することで基本的な知識もつきます。何より女性が増えたことでお客様からの印象も良くなり、良いことばかりですね。

〜“17時になったら、ほぼ皆残業しない” 社員の声を聞き、ハードもソフトも柔軟に整える環境づくり〜

代表取締役 堀内さん

【実際、女性社員が増えていて、そして辞めずにキャリアを重ねている。そのように女性社員が離職しない、定着する理由として、何か御社の取り組みはありますか?】
堀内社長:
社員の声、ニーズを聞いて、柔軟に対応していくことは大切にしていますね。
現在の社屋に引っ越してきたのが8年、9年くらい前なのですが、その当時、女性社員が数名しかいなかったので、女子トイレが1つしかなくて、あとは全部男子トイレでした。しかし、女性社員が増えるにつれて、2階、3階にも女子トイレを作って欲しいとか、女子更衣室も作って欲しいという社員の意見が出てきて、これはいけないと思い、すぐに整備するようにしましたね。
制度面では、育児休業制度や育児短時間勤務制度なども、もうちょっと明確にして欲しいという意見も出てきたので、その声を反映しながら整備するなど、必要に応じて対応してきました。
【設備面はもちろん、制度面も柔軟に対応してきたということですね。とても大切ですね。】
堀内社長:
やはり女性社員を含めた社員全体の声に耳を傾けて、「こうしたいよね、ああしたいよね」という要望が上がってきたら、柔軟に対応する、これが一番大切ですし、これに尽きるのではないかと思います。
多くの工事現場では男性が多いので、仮設トイレにせよ、更衣室にせよ、女性が利用しにくい状況なのですが、弊社の現場では、その辺りも配慮しています。今や30%近くが女性なので、そうすることが当たり前になっていますね。

那須課長:
基本的に、意見がとても言いやすい会社だと思います。言ったら聞き入れてくださるという安心感もありますし、何より、代表が誰に対しても気さくで、分け隔てなく話を聞いてくださるので、相談しやすいですね。代表だけではなく、自分の上司や周りの人も女性の働き方に対する理解があって、それがとても大きいなと思います。有給休暇もとりやすいですし、残業もほとんどありません。

【工事関係ですと、お客様のスケジュール優先で、休みが取りにくいイメージがありました。】
堀内社長: 
土日はきっちり休みます。残業についても、夕方の5時になったらほぼ皆帰るんです。だから私がちょっと18時頃までいたら、もう誰もいないんですよね(笑)
那須課長: 
この業界では、すごく珍しいんじゃないかなと思います。有給休暇取得率の数値は86%となっていますが、体感としてはほぼほぼ100%に近いかと思います。「有給休暇が消える前に使い切ろう」という声かけも社員がお互いにしていますね。

【「休もう」と声を掛け合う環境はとても良いですね。残業はなぜ無くなったんでしょうか。】
堀内社長:
やはり意識ですかね。「17時には帰らないといけない」と意識してもらうことで、密度の濃い仕事を勤務時間中

にしてもらっていると感じています。さらにいうと、「みんなで早く帰ることを意識する」ことが大切なのではないでしょうか。以前は9時出社18時退社で、その頃は結構残業する人もいましたが、8時出社17時退社にしてからは、残業せずにみんな17時で帰る、が定着してきましたね。

【勤務時間8時〜17時を変更したのは、何か理由があるのでしょうか?】
堀内社長: 
勤務時間は今年(令和7年)の1月に変更しました。去年までは9時〜18時でしたが、ほとんどの社員が車通勤なので、その時間だと、朝も夕方も渋滞に巻き込まれてしまうんですよね。それで、「8時〜17時だったらどうか」と言う意見が出て、試験的に変更してみたら、朝も渋滞に巻き込まれず、西の方から朝来る人は1時間以上かかっていたのが、30分になって、やはり帰りも渋滞がなく、スムーズに帰ることができて、通勤のストレスが軽くなり、プライベートのことや家のことなどにも時間をかけることができるようになったんです。
元々、工事部だけは8時からの勤務で、他の部署との勤務時間のズレがあったんです。例えば工事部と営業との打ち合わせ時間でも、営業が出てくる9時まで待たないといけなくて、効率も良くなかったので、なおのこと、統一しようということで、みんなに意見を聞いたら、圧倒的に8時〜17時がいいということで、今の勤務時間にしました。
そういった勤務時間変更の経緯もあって、残業すると渋滞にハマってしまう、それなら残業せずに定時で帰ろうという意識にもつながっていますね。

〜“『女性だからこの仕事』は、無い” 性別の垣根の無い、誰もが活躍できる未来へ〜

【今後、さらに女性の活躍を応援していくために、御社の展望はございますか。】
堀内社長: 
特別意識はしていないのですが、「女性だからこれしかできない」ではなく色々な仕事をしていただきたいし任せていきたいと考えています。弊社にも総務、工事部、設計部、積算部、営業部と色々ありますが、やはり色々なところで活躍できるような体制は常に考えていきたいですね。当然、管理職についても、女性の登用を積極的にしていきたいと思っています。

【お話をお伺いすると、女性とか男性とか、本当に関係ないと言う考えが徹底されていますよね。】
堀内社長:
その通りですね。「女性だから、この仕事しかせんでいいよ」と言うことが全然なくて、色々な経験をしていただきながら「あなたはそろそろ課長になってもいいんじゃない」と声をかけキャリアを意識してもらうことで、未来を見据えた前向きな考えや意見も生まれてくるようになります。色々なことを経験してもらうことによって、どんどん新しい芽が出てくると考えていますので、これからも、男性・女性関係なく、社員のみんな、活躍してもらいたいですね。

〜 パートから管理職へ。『会社の役に立ちたい』 資格取得と周囲の理解が、私の原動力〜

工務部工務課長 那須さん

(従業員インタビュー① 工務部工務課 課長 那須香織さん)

【現在の業務内容を教えてください。】
工務部工務課の課長として、見積もりの作成や図面作成、現場担当をすることもあれば、女性の視点での安全パトロールを実施したり、取得しているエコアクション21の責任者をしたり、電気工事組合の女性部、それから社内の安全大会や講習会などの研修の企画・開催をしています。

【入社のきっかけを教えていただけますか。】
約10年ほど前に、子どもが小学校に上がるタイミングで、事務のパートとして入社しました。その後、長く勤めるうちに、パートから正社員になって、時短勤務もさせていただき、子どもも大きくなりましたので、今はフルタイムで働いています。

【堀内電気ならではの「働きやすさ」はどんな点でしょうか。】
まず、代表をはじめ社員の皆さんの「女性の働き方への理解」が大きい、という点があります。代表は日頃から女性の活躍を推進してくださり、分け隔てなく接してくれます。資格を取得した時にも1番喜んでくださったのが代表だったので、すごくやる気が出ました。あとは、やりたいと思ったことをやらせてもらえる環境で、男女関係なく活躍していることは魅力だと思います。
パートで働いていた時にも、勤務時間を考慮していただいたり、その後正社員になってからも、時短勤務にしたり、子どもの成長に合わせて、柔軟に勤務体制を考慮していただき、すごく助かりました。本当に社長を初め社員の皆さんに助けられてきて、自分も会社の役に立ちたいなという気持ちがすごく大きくなりました。
 

【管理職になって良かったことを教えてください。】
良かったことは、発言できる機会が増えたことです。会議でも発言しやすくなりましたし、自分から率先していろんな議題を考えますし、部署や会社が良くなっていくための意見を言えるような機会が増えたように感じます。

【管理職になると責任が増えるなど、不安はありませんでしたか。】
最初は「私がなっていいのか」という気持ちはありましたが、なったからにはしっかりしなきゃという気持ちが大きくなって、自分が見本になれるようにという想いで働いていくうちに、仕事に対する自信もついていき、不安も軽くなりました。
時折、残業している部下がいる中で、自分だけ先に帰るのが気にならないことはないんですけれども、周りの人が「早く帰り」と声をかけてくださるので本当に助かっています。子どもがいることに対して、周りの皆さんが理解してくれて、そういった声をかけてくれるという状況は、すごくありがたいです。

【そう言った声掛けがある職場だと、仕事とプライベートのオン・オフの切り替えもしやすそうですね。】
私も本当に17時になったら残業しないで、なるべく早く帰って、娘との時間やペットと過ごす時間を大切にしているので、そこはすごく切り替えができる環境だと思っています。他の社員の皆さんも残業をしないし、年間休日も125日あって、プライベートの時間はすごく確保しやすいのかなと思います。

【那須課長の将来像についてお聞かせください。】
この会社でこれからも長く働き続けていきたいと考えています。せっかく専門的なことも覚えてきているので、資格や知識を活かしていきたいですね。あと、女性だけではなく、みんなが働きやすい環境を作っていきたいということと、周りとの信頼関係を大切にして、頼られる存在であるよう、その辺りを意識しながら働いていきたいなと思います。
会社や社員の皆さんに、本当に感謝しているので、周りに目を配って細かいところに注意し、「誰かがやるだろう」ではなく、自分から率先して動くことを大切にしながら、話しやすい存在になれたら良いなと考えています。
 

〜未経験・子育て中でも『区別なく』採用。積極的な資格勉強も、仕事へのやる気も、すべては『家族が一番』という理解があるから〜

営業アシスタント・広報部 灘吉さん

(従業員インタビュー② 環境開発事業部 営業アシスタント・広報部 灘吉真理子さん )

【現在の業務内容を教えてください。】
太陽光発電を主に担当しておりまして、提案資料の作成をしたり、シミュレーションをしたり、契約決定後の各種申請も担当しています。あとは広報部としてSNSの運用、撮影の同行もしています。

【入社のきっかけを教えてください。】
灘吉さん:
きっかけは「家からの近さ」なんです。家の近く、事務系、正社員で探していた時に、営業事務で募集があったので申し込みました。その当時、小さい子が2人いて、しかも業界未経験という、人材的にはデメリットしかないような状態で採用試験を受けまして(笑)。「多分ダメだろうな」と思っていたのですが、子どもがいるとか未経験とかで、区別されることもなく、採用していただいて、それが3年前です。
堀内社長:
弊社は未経験でも資格がなくても男性でも女性でも、こだわりがなくて、向上心があれば積極的に採用しています。電気工事でも太陽光でも、覚えることがものすごく多いんです。覚えても覚えても、次から次に勉強していかないといけないような仕事なので、一生懸命勉強して成長する、仕事に前向きに取り組む、そう言った向上心を持っていることを重視して、採用しています。

【灘吉さんから見た「働きやすさ」はどんな点ですか。】
先ほど、トイレや更衣室のお話がありましたが、すごく融通がきくことかなと思います。私自身、時短勤務をしているんですが、それも柔軟に対応いただきました。 
勤務時間が8時〜17時になった時に、朝子どもを送らないといけないのでどうしても8時出社には間に合わない状況で、時間変更の相談をしたんです。
初めは「9時〜17時でどうですか?」という話だったんですが、8時が間に合わないだけなので「8時半からではダメですか」っていう相談をしたら、「いいですよ」っていうことで30分だけの時短勤務にしていただきました。この30分がとてもありがたくて、自分の状況を考えてくれる会社の柔軟な対応に、本当に感謝しています。
今子どもが3人いて、1番下がまだ2歳で病気にかかるということも多くて、休むこともあるのですが、男性の上長も、すごく理解があって「家族が1番だから休んで」と言ってくださいますので、働く環境としても、すごく助かっています。

【下の子が2歳ということは、こちらに就職されてから、育休も取られたんですね。】
灘吉さん:
そうです。育休も取らせていただいて、約1年前に復帰しました。育休中も会社の携帯を貸与させていただいていたので、仕事の連絡とかはないんですけど、部署内の動きやメールも見れる状態で、「携わっていた案件はどうなったかな」と自分でちょこちょこ確認していたんですね。ですので、復帰もすごくしやすかったですね。
堀内社長:
確か育休中に電気工事の資格の勉強もしていたよね。
灘吉さん:
そうですね、資格の勉強を、子ども昼寝の間に(笑)。それもやはり仕事が楽しいので、今のうちに勉強を、という気持ちでしていましたね。

【灘吉さんも、残業せずに早く帰るのでしょうか?】
そうですね、私も那須と一緒で、17時にはすぐ帰ります。すぐ帰っているつもりなんですけど、私より早い人が結構いるくらいでして、皆ピタッと終わって早く帰るので、仕事の連絡が来ることもなく、プライベートのことにもしっかり時間をかけることができて、結果、仕事を頑張ることができているというところはあります。

【灘吉さんの将来像についてお聞かせください。】
那須に続いて、私も資格をたくさん取りたいなと思っています。最初に那須が電気工事士の第2種を取って、それが会社の中で、すごく良いきっかけになっていると思うんです。特に女性陣が奮起したというか。やはり那須が社内の女性で初めて資格を取得して、そこからは、みんな入社したら資格を取ろう、みたいな流れができて、すごく良い刺激をいただきながら、働くことができているので、私も更なる資格取得を目指していきたいと考えています。
 

【聞き手所感】

インタビューを通じて、堀内社長の「誰にでも気さくで分け隔てなく話を聞いていただける」 というお人柄と、社員の声を即座に反映する柔軟な経営スタイルが、会社全体の風通しの良さに直結していることが強く伝わってきました。「女性を増やそう」と意図したのではなく、偏見のない「やる気ベース」の採用、資格取得費用の全額支援、そして「8時-17時勤務」や「ほぼ残業ゼロ」といった働きやすい環境整備を、社員のニーズに合わせて一つひとつ実現していった結果、自然と女性社員が全体の3割まで増え、定着しているという事実は、非常に印象的です。
特に、パート入社から努力を重ねて管理職になった那須課長や、未経験・3人のお子さんを育てながら「区別なく」採用され、さらに育休を経て活躍する灘吉さんのお話は、後に続く女性社員にとって、まさに輝くロールモデルとなっていることかと思います。
子育て中の時短勤務や急な休みに対しても、男性社員の時短勤務や有給休暇の取得実績をみると、「お互い様」の精神が社内に根付き、誰もが気兼ねなく働ける環境が実現されているとお話を聞いて感じました。電気工事業界のイメージを覆す、先進的な取り組みに満ちた堀内電気様の、今後のさらなる発展を楽しみにしております。

会社概要

株式会社堀内電気

福岡市博多区浦田1-5-46

代表取締役 堀内重夫

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