〜周りを楽しく巻き込んで、誰ひとり取り残さない職場環境をめざして〜

ドコモC S九州は地域に密着し、お客様ニーズにより的確かつ迅速に対応することに努め、各種サービスの提供を通じてお客さまに心からご満足いただくことをめざし、九州を中心に、営業・サービス・ネットワーク事業を行っている会社です。女性活躍推進に積極的に取り組まれており、「第20回福岡県男女共同参画表彰」を受賞されました。社内の取り組みについて、総務部 採用育成・ダイバーシティ推進担当課長 宮原祐一さん、総務部 採用育成・ダイバーシティ推進担当主査 髙木仁美さん、総務部 採用育成・ダイバーシティ推進担当 奥田敬子さんにお話をうかがいました。

〜会社が主体的に動き、社員の不安を共有・解消しながら、人と人が自然につながる職場環境をつくる〜

奥田敬子さん

【第20回福岡県男女共同参画表彰の内容についておうかがいします。】
奥田:受賞で評価された内容は、「育活応援プログラム」です。これは、産前から産後まで、会社としてしっかり休職した社員をフォローする仕組みであり、かつ男性の育児休業取得の促進を目的としています。出産予定の報告を受けた社員に対して、制度や申請方法を伝える育児ガイダンスの開催、年に1回、育休中の方も親子で参加できるファミリーディや、育児休職フォーラムの実施、希望する社員には、育休中でも上司との面談を実施するなど、休職中の不安解消・会社とのつながりの機会を設けています。また復職後は育児休職中の経験も自分の強みになることを理解するための復職者向け「自己分析支援ワークショップ」や上司との相互理解を深めるための「育児両立相互理解研修」を実施。復職後の社員の活躍の後押し(サポート)も会社の仕組みとして確立しています。
昨年は育児について気軽に悩みや日頃のことを話せる機会「ティータイム座談会」を開催しました。また社内で育児について気軽に話せる社内SNSチャンネルを設けたり、パパママ応援サポーター社員がいたり「社員同士の横のつながり」も会社として心がけています。
男性の育休取得促進を加速するためには周囲の理解が重要です。育児に関わる社員も関わらない社員も全社員がまずは「出産・育児」って実際どういう感じなのかジブンゴトとして知る必要があると思いました。そこで社員のリアルな育児の体験談をわかりやすく漫画にして、全社員に発信、出産や育児の大変さを伝えました。「育休」といっても休んでいるわけではなく、本人は休職中も色々なことを学び育児・家事に日々奮闘していることを育児の経験がない社員にも感じていただけたと思います。
 

【その取り組みの成果はいかがでしょうか。】
髙木:育児を理由とする男性の休暇休職が、平均2週間ほどに増えてきています。しかし、母体保護等を考えると、2週間ではまだまだ足りないと考えており、最低1ヶ月以上の取得をめざしているところです。令和3年度は、1か月以上、育休を取得した男性社員が九州グループで9名となり、以前よりも増えましたが、さらに増えるよう働きかけていきたいと思います。
働きかけの一例として、パートナーの妊娠報告があった社員一人一人に総務部長から育児休職促進メールを送っています。こちらは周囲の理解・後押しも必要なことから所属組織長・上長をCCに入れています。
また母体の変化や本人の休職に対する不安解消、周囲の理解を促すオリジナルショートドラマを作成、会社全体の会議で放映するなど、全社員にわかりやすく男性育児休職の必要性をお伝えする試みも行っています。

【男性の育休取得に対して、男性社員の意識の変化はいかがでしょうか?】
宮原:出産予定の社員を対象に制度説明会をしています。令和2年度からは、出産予定の男性社員も説明会への参加を必須としています。上司や組織の総括の社員もその説明会に加わり、周囲の理解の促進につながっています。その結果、男性からの育休取得の申し出は増えてきています。「会社から言われたから取らなければいけない」というわけではなく、「選択肢として育児休業を選ぶ」という社員が増えており、男性の育休取得に向けた環境づくりが進んでいます。
以前は、男性社員からの扶養手当や税関係の申請で出産後に判明していたのですが、そのタイミングで会社として情報を得ても、育休制度の説明が間に合いません。そのため、当事者からの情報を待つのではなく、会社側から動いて、情報を吸い上げるようにしました。男女ともに、2ヶ月に一度、出産予定の情報を確認することにしています。
制度も整ってきていますが、子どもが生まれる世代の社員の意識として「育休取得が当たり前」という考え方が良い意味で増えてきており、会社の取組みと同時に男性の育休取得の促進につながっています。
 

~漫画を通して育児休職の実体験を見える化~

【育活応援プログラムで作成された漫画について、社員の方々の反応はいかがでしょうか?】
奥田:大変好評でした。その理由は二つあります。一つは、漫画という手法だったからこそ、受け入れやすく、育休に関係がない社員も読みやすかったということ、もう一つは、漫画を描く人を社内で募集したところにあります。会社の業務ではなかなか発揮できない「個の才能」を開花させることができ、注目されました。この二つが総じて好評である結果につながったと思っています。
また、社内ではストーリーや絵を描いた社員の実名や写真を掲載しました。一緒に働く仲間が漫画を手作りしたので、より社員の興味をひき、男性の育児休職への理解が深まるきっかけになったと思います。
宮原:社内アンケートでは対象者約3,000名中2,400人程の回答がありました。約6割が「意識が変わった・気づきがあった・そういった人を見て応援したいと思うようになった」と、約3割が「元々、男性の育休取得を理解している」というものでした。ネガティブな反応はほぼありませんでした。この取り組みをきっかけに会社全体の雰囲気が変わり、社員が声をあげやすい空気になったのではないかと感じています。

~さまざまな女性の活躍モデルを伝え、女性のキャリア意識を高めていく~

髙木仁美さん

【女性の活躍を応援する取り組みについておうかがいいたします。】
髙木:ドコモグループ全体でウィンド(Win-d)活動という女性活躍推進ワーキングを行っています。福岡だけではなく九州内にメンバーがおり、全国のグループとやりとりしながら、2006年から研修や出前講座を実施する取り組みを継続的に行っています。
九州独自では、幹部講話や女性ロールモデルセッションという形で社外の方を招いたり、先輩社員とのグループディスカッションを行ったりするなど、定期的な交流の場をつくることにより、女性のキャリア意識・モチベーションを高める活動をしています。
特に女性はインポスターシンドロームと言って、「私なんか何もできない」「自信がない」など、本当は能力があっても自分を過小評価し、能力が十分に出せてない方々が潜在的にいるのではないかと思います。そこをまず引き出すところが大切だと考えています。
女性ロールモデルセッションにおいては、「色んなタイプのリーダーがいて良い」ということをしっかり発信し、「こういうリーダーも良いんだ」「私だったらこういうリーダーならなれるかも」という意識を持ってもらうことで、管理職になることを望まない社員の考え方を変えるきっかけにもなっています。

【女性が活躍する上で社会的な課題と感じていることがあれば、おうかがいできればと思います。】
髙木:やはり女性のインポスターシンドロームでしょうか。女性がもっと自分を評価して自信を持てればいいなと思います。育児を「ブランク」と考えている方がいるので、それを強みとして捉え、前向きにステップアップできるような意識の変化が広まれば、キャリアアップしていく女性が増えるのではないかと思います。
 

宮原祐一さん

宮原:社会的に「男性は会社で頑張って残業して働くものだ」「女性は家庭のことをちゃんとしながら、両立していく」といった意識があり、そこが課題だと思います。男性は「働いて出世したい」と思うのがあたりまえという前提があるように感じますが、そうではない人もいます。私も「会社に入ったからには上をめざして頑張らないといけないんだ」というプレッシャーにずっと背中を押されている感じがあります。このように男性側も背負わされているものがあると思います。男女とも、そのような意識が解消されていくことが、女性の活躍につながると思っています。

~ダイバーシティは「ジブンゴト」。個性が輝く職場環境を~

【ダイバーシティの取り組みについておうかがいいたします。】
奥田:ダイバーシティの取り組みとして、最近では「まじめなことをオモシロク」をコンセプトに社内向けオンラインイベント「Colorful 2days フェス」を開催しました。ダイバーシティは女性活躍や子育て、LGBT、障がいなど何かに特化したものではなく「すべての人がその人らしく豊かに生きる」ことを目的にするものです。年に一回くらいはみんなで一緒にダイバーシティについて感じ、考える時間があってもいいんじゃないかという想いからイベントを実施しました。「一緒に働く仲間は一人一人違って、それぞれ仕事では見せない趣味や表情、個性、所属があり、一人一人が素晴らしい」そんなメッセージを込めました。
社員を誰ひとり取り残したくないという思いがあります。「色々な施策を会社で行っているけど、私って何も関わってないな」という社員がいると、全体的にうまくいかないと考えています。
そのため、社員一人一人が大事な存在であることを伝えるために、育児、LGBT、障がいに加え、バンド披露やクッキング、eスポーツコーナーなど、さまざまな要素を盛り込みました。その結果TVのような本格的かつ手作り感満載の温かいイベントに、出演者は組織の枠を超え200人以上の社員が参加、延べ2,000名の社員が視聴した一大イベントとなりました。
宮原:このダイバーシティのイベントに対して、「仕事中にこんなことやるの?」というネガティブな意見はありました。そこで、我々が特に力を入れたのは「いろんな人を巻き込む」「関係者を増やしていく」というところです。各組織の組織長にお願いをして、「社員それぞれ自分にも関係あるんだよ」という雰囲気づくりに協力してもらいました。
髙木:「多様性のジブンゴト化」というのは大きなテーマとしてあります。今回、様々な部署を巻き込む取り組みを行い、多くの社員に様々な形で参加してもらうことで、よりダイバーシティを身近に感じてもらえるようにしました。
奥田:昨年から組織長とのダイバーシティ対談も行っており、その様子を社内イントラで発信しています。組織長もしっかりとダイバーシティを意識しているということを社員に発信し、ダイバーシティをジブンゴト化する取り組みの一つとなっています。

Colorful 2days フェス
【インタビュアー所感】

今回は第20回福岡県男女共同参画表彰の受賞内容を中心にお話をうかがいました。法改正の先を行く取り組みをされており、これからの社会を見据えた、誰一人取り残さない姿勢が印象的でした。女性だけでなく、社員全員それぞれの境遇・個性があり、これを認識したうえで、活躍できる環境を整えることが大切なことだと、改めて感じることができました。ありがとうございました。

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