〜男女問わず働き続けることができる職場環境をつくるため、一人一人の声を大切に〜

エフコープ生活協同組合は「ともに生き、ともにつくる、くらしと地域」の基本理念のもと、福岡県全域を対象に福岡の暮らしや地域を支える事業活動を行なっている生活協同組合です。女性活躍推進に積極的に取り組んでおり、今まで培ってきた企業の体制と、これからの展望・課題について、執行役員管理本部本部長 永芳陽子さん、総務部安全管理課 梅村麻衣さんにお話を伺いました。

〜制度を作るだけではなく、人と人の繋がりを生み出していく〜

【これまでの女性活躍推進・ワーク・ライフ・バランスの取り組みについてお伺いします。】
永芳:エフコープのワーク・ライフ・バランスに関する取り組みは、1990年の育児短時間制度導入からスタートしています。2001年には、「個を認めあい、個を磨きあい、自律型人財へ」という人事理念を策定し、子育て応援宣言企業登録(2004年)、雇用形態間の移行制度(2006年)などを導入し、人事制度の改革を進めてまいりました。
その後、2009年に「くるみん」、2017年に「えるぼし」を取得し、2019年に「福岡県介護応援宣言企業」の第1号登録企業として認定を受けました。女性だけに限らず、働く人全員がいきいきと働き続けることができる職場づくりを、構築してまいりました。ワーク・ライフ・バランスの推進を目的として、働く親の職場参観ができるファミリーデイを2011年から実施しています。また、2019年には勤務終了時刻から翌日の勤務開始時刻までの時間を11時間以上確保する「勤務間インターバル」を導入しました。
 

          【永芳陽子さん】

【取り組みの効果はいかがでしょうか?】
永芳:数字は着実に変わってきています。男女別の育児休職者や、介護休職者、時短勤務者の推移を見ると確実に利用者が増えています。2020年度の女性管理職比率は14.8%で役付(管理職含む)比率は30.5%です。また、まだ決して多いとは言えませんが、新卒の女性スタッフも増えていますので、フルタイム型の女性の割合は、全体で20%を占める程になりました。
現在、働いているスタッフが働き続けられる環境整備と同時に、若い世代の方々にも新たに入っていただきながら、女性の母数そのものを増やしていくことが重要だと考えています。

梅村:私が人事部に所属していた頃、新卒採用時の会社説明会で、「出産後に育休制度を利用された女性スタッフのほとんどが復職しているんですよ」と紹介すると、学生の方も「出産や結婚で辞めなくていい、働き続けやすい企業なんだな」というリアクションが返ってきていました。
また、組織内の女性スタッフについては、「女性活躍推進チーム会」を発足し、意見交流や学びの場の企画、働きやすい職場づくりの施策検討など行ってきましたが、その中で、入協歴10年未満の女性スタッフと女性管理職との交流会を行いました。若いスタッフにとっては働き続けるイメージを持つことや、悩みや不安を解消する機会となり、大変好評でした。最近ではオンラインで育児休職中のスタッフと育児休職から復帰して育児短時間勤務をしているスタッフとの交流会を行いました。会では、制度の活用法や、育児短時間勤務中の1日の流れ、日々の子育ての悩みなどを共有し、「復帰後のイメージがすごく沸いて、不安が解消された」という感想がありました。今後も、女性スタッフ同士の交流を通して、エフコープで働く意欲や元気につながるような取り組みを継続的に行っていくことが大事だと思っています。

〜さまざまな研修を通して視野を広げ、チャレンジができる環境を〜

       【働く上でのハンドブック】

【女性の活躍を応援する際に大事にしていることがあれば教えてください。】
永芳:女性がチャレンジできる環境整備と職場づくりを進めると同時に、企業が後押ししていくことも重要だと考えており、外部研修にも積極的に派遣し、キャリアパスをイメージすることができる機会を増やしています。
フルタイム型の女性スタッフを対象とした内部のアンケート結果では、キャリアアップを望まないスタッフが多くいることがわかりました。理由として、「自分の能力に自信がない」「仕事と家庭の両立が困難」を挙げたスタッフが多かったのですが、その原因の一つにモデルケースが少ないことが挙げられます。「管理職になるのはハードルが高く、完璧じゃ無いとできないのではないか」、「仕事がハードになって、ずっと残業しないといけなくなる」など、とにかく大変になるというイメージがあると思います。しかし、今ある制度を利用したり、周りのスタッフと調整したりすることでクリアできることも多く、そういう気づきのために外部研修に参加し、視野を広げてもらえたらと思います。管理職になり、自分のマネジメントスタイルを構築し、それを組織が認めてくれる、という認識が広がっていけば、女性もキャリアアップに躊躇することなく一歩踏み出せるのではないかと考えています。まだまだ意思決定の場に女性が少ない現状がありますが、女性活躍を推進することで、今までになかった新しい感性が加わり、様々な視点が生まれ、プラスになると実感しています。もちろん女性だけでなく、様々な立場や経験を持った人がいることによって、組織の体制・事業に新しい価値観をもたらしてくれると考えています。
 

〜大切にしたいのは仲間に寄り添える関係づくり。お互いの支えを感じられる温かい組織に〜

         【梅村麻衣さん】

【働く上で大切にしていること、心がけていることはありますか?】
梅村:就職活動の際に、配達するトラックに同乗させていただく機会があり、組合員さんが笑顔で荷物を受け取りながら、「この前の◯◯、よかったよ」、「おいしかったよ」と配達担当スタッフに声をかけてくださっている様子を見て、組合員さんに直接寄り添った仕事ができることに強く惹かれました。
エフコープでは組合員さんに限らず、地域にも役立つ事業を行っており、感謝の気持ちを持ちながら相手に寄り添う姿勢を大切にしています。同じように、スタッフ同士もお互いに寄り添い、支えあえる繋がりも大切にしたいです。女性スタッフも増えてきているので、部署や事業所を超えて繋がりあっていける関係性が組織の中にできるように、機会があれば力になりたいと思います。
 

〜働き続けられる職場作りのために変化し続ける〜

【今後の将来像について】
梅村:エフコープは色々な事業や役割がありますが、どの部署で働いていても「やっぱりエフコープで働いていてよかった、ここで働き続けたい」と感じながら働くことができる職場・組織になるよう、力になれればと思います。配達やお店の仕事であっても、企画推進の仕事であっても、どこで自分が働いていても、頑張れて、前向きでいられる組織になることが、結果的に男女問わず誰もがいきいきと働くことにつながると考えています。
自分の今の役割で言えば、労働安全衛生の面で、「こういう改善が欲しい」「これが解消されれば働きやすい」などの声を聞き、その声に対してしっかりと対応していきたいと考えています。

永芳:制度を構築したらそれで終わりではないので、より柔軟に働き続けられる制度になるよう改定を重ねていくことや、今の教育研修等も見直しながら、スタッフ同士が組織の中で繋がり、活性化していく仕組みを作りたいですね。
また時代の変化をしっかりキャッチして、若い世代がどんなことを求めているかなど取り入れられるようになれば、もっと良くなると思います。
 

【聞き手所感】

今回お話を伺い、人々の生活を支える事業を展開しながら、同時に働いているスタッフの生活・生き甲斐も大切にされている組織だと感じました。お話を伺ったお二人は、「自分が良ければ」ではなく「周りの人がどのような働き方を望んでいるのか、それをどう支援できるか」を大切にされており、人を支え共に成長することを楽しむ働き方を教えていただきました。ありがとうございました。
 

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