大和リース株式会社 執行役員 福岡支店長 谷本政樹様
職場環境改善で女性活躍へ
「ダイバーシティ推進プロジェクト」,「なでしこライン」などで女性活躍
谷本)弊社では女性活躍推進プロジェクトとして,平成19年に「プロジェクトW」という新組織を発足しました。 『WING はあと』,今は「ダイバーシティ推進室」と名称は変更してますが,社員アンケートなども実施しています。
弊社は建設業の色が濃いものですから,女性の管理職もまだまだ少なくて,まずは主任職を増やしていく方針です。そのため,平成24年から「女性リーダー育成トレーニング」の場を設け,自ら手をあげて応募した女性の中から,約20名が本社で受講しています。
また,女性社員同士のコミュニケーションの場として,社内イントラネットに「なでしこライン」を設置しています。女性社員だけが参加できるので,私は見ることはできませんが(笑)。
荒瀬)「なでしこライン」には,いろいろ質問が出たりしますか?
谷本)質問等あれば,全国の先輩女性社員がその都度,返事をくれるようになっているそうです。
テレビ会議システムが社員の意識を変えた?
谷本)弊社はテレビ会議システムを導入しております。初めは出張費などの削減が目的でしたが,他の社員も会議の様子を見ることができるし,会議に出席できなかったとしても後で資料や議事録を見ることができます。会議で各統括所長や支店長が頑張っているのを見て,社員の意識も変わっていったかなと感じます。このシステムの導入が,私はここ数年で一番よかったと思いますので,社員に声かけをして見てもらうようにしています。職場改善委員会や満足度調査で改善を目指す
谷本)弊社では職場改善委員会を事業所ごとに月1回開催し,レクリエーションや子ども参観日,節電対策などに取り組んでいます。また,社内でCSR意識調査を実施し「この会社で働くことを誇りに思うか」,「やりがいがあるか」など,アンケートを匿名で行い,全国の支店での順位が出ます。私はこの従業員満足度は,一つの事業所の通信簿かなと思っており,重要視していきたいと考えています。事業所ごとに休暇取得を推進,ジョブローテーションで休暇も取りやすく
谷本)ワーク・ライフ・バランスに関しては,「時間有休」,「半日有休」や,9月までに5日連続で休暇をとり,前後の土日を合わせて最大9日間取れる「リフレッシュ休暇」があります。また,四半期ごとに1日は,前もって予定を組んで休暇取得を推進する「ホームホリデー」や,事業所によって若干違いますが,毎週水曜日を「ノー残業デー」としています。昨年度のノー残業実施率は98.9%です。会社への休暇届出もイントラネットで申請しやすくなっただけでなく,タブレット端末で出張中でもタイムリーに承認ができるようになっています。管理部を中心にジョブローテーションを行い,お互いにフォローできる体制をとっていますので,育児休業や子ども・家族の看護休暇も取りやすくなっており,非常にいいことだなと感じています。
荒瀬)突発的に子どもの発熱とかがあると,急に対応できなくて大変ですよね。
谷本)ジョブローテーションでカバーしたり,設計などの専門職の長期休暇であれば外部の派遣で対応したり,全社的な社員の派遣制度などもあります。少人数の営業所もありますので,福岡支店から九州の各事業所に応援に行くこともあります。
「子ども参観日」は福岡支店から始まった
荒瀬)私は,平成18年度に創設したこども未来局の初代局長をさせていただいたのですが,その時に“「い~な」ふくおか・子ども週間♡”を創設しました。この期間に,授業参観への出席や定時退社などで家族と過ごしていただきたい,一週間あれば企業のみなさまにも工夫して取組を実施していただけるのではないかと考えました。谷本)“「い~な」ふくおか・子ども週間♡”には平成19年に福岡支店で賛同登録をさせていただきました。「子ども参観日」も弊社では福岡支店が初めて取り入れ,テレビ会議システムなどで紹介した結果,全国の支店に広がっていき,今年は全社で312名が参加します。参観日の初回の実行委員は優秀社員賞を受賞し,開催店には賞与査定時にポイントがプラスされました。
「事業所長宣言」で改善を推進
荒瀬)スタッフも支店長も人が変わっていくと思うんですが,長い間このような取組を続けてくださったということはすごいことですね。谷本)異動で人が変われば事業所も変わってしまいますので,そのあたりを意識して取り組んでいかないといけないと思います。「事業所長宣言」という支店長クラスの宣言をイントラネットで写真つきで公開しているんですが,私も他の人の宣言を見て,「あ,こういう考えあるな,こうやっていこうか」といったことがあります。
荒瀬)顔が見えるというのはいいですね。
「土日出てきて,よく頑張っているね」とはもう言われない
荒瀬)あと10年経つと,団塊の世代が75歳になり介護や労働力不足の問題も大きくなってきます。福岡は若者率が政令指定都市で一番ですが,関東あたりで就職するために出て行ってしまうことが多い。御社のように時代の変化に対応していける企業が,福岡市にも増えていくと若者が出て行かなくていいなと思います。市では社会貢献活動を進める企業は市の入札等の際に優遇する制度を設けており,そのような取組をしておられるところを支援していきたいと思っています。
谷本)こういう取組で職場環境が良くなり離職率が低下しました。今後,事業所長向けの「イクボスセミナー」や「女性の意識改革セミナー」も開催します。テレワーク(在宅勤務)制度は,今後システムをつくり設計部門等で取り組んでいきたいなと思っています。
以前でしたら,「土日出てきて,よく頑張っているね」と言われましたが,今はもう誰も言ってくれません。「時間外勤務削減の上,効率を上げて業務に当たる」ということで,これからも頑張っていきたいと思います。
荒瀬)今日は良いお話をお聞かせいただき,ありがとうございました。
執行役員
福岡支店長 谷本 政樹様
昭和59年入社
松山支店支店長,広島支店支店長を経て,
平成27年4月より現職。
会社概要
社名:大和リース株式会社 福岡支店住所:〒810-0004 福岡市中央区渡辺通4-1-36 BiVi福岡7階
創業年:昭和34年
業種:建設業
業務内容:規格建築事業,流通建築リース事業,リーシング ソリューション事業,環境緑化事業
URL:http://www.daiwalease.co.jp/bace/fukuoka/index.html
従業員数(男女内訳):122名(男性92名,女性30名(うちパート社員3名))
女性社員の割合:24.6%
女性の主任職比率:16.0%(女性4名/25名中)
有休取得日数(一人当たり平均):12.1日(平成26年度実績)
(平成27年8月現在)
女性活躍やワークライフバランスの主な取組
- 2007 “「い~な」ふくおか・子ども週間♡”賛同企業の登録
- 2009 次世代育成支援対策推進法認定マーク「くるみん」マーク取得
- 2010 福岡県子育て応援宣企業登録
- 2011 2回目の「くるみん」マーク取得
- 2014 3回目の「くるみん」マーク取得
福岡支店の取組みはこちらをご参照願います。