専門家集団が働き続けられる制度を整える

打合せをする社員のみなさん

そこにある風景すべてが調和する心地よさを追求

株式会社エスティ環境設計研究所は、1998年に創業し、20周年を迎えました。環境デザインの専門家チームとして、都市の景観づくり、地域活性化計画、まちづくりアドバイス、公園の整備、文化財の保存・整備など、建物の設計にとどまらず、幅広い事業を展開しています。

「私たちの仕事を説明するのは難しいのですが、一言でいえば『風景づくり』。都市や地方の風景を整える仕事です」と社長の澁江章子さんは言います。

例えば、古い日本家屋の集落に、マンションなど今までにない風景が生まれると違和感があります。一方で、地域や産業の振興の面から集落環境の改善が必要なことも。そこで同社は、ワークショップなどで地域の人たちの話をじっくり聞いたうえで、風景の変化を許容する着地点を見つけるなど、地域の持つ価値を守り、より高めていくための方策を考えるそうです。

課長の木村真智子さんは、「環境デザインに終わりはありません。出来上がった後も、使い心地が悪いところはないか、話を聞いて改善しながら『風景づくり』を積み上げていきます。10年継続しているプロジェクトもありますよ」と仕事の奥深さを語ってくれました。同社は、人、建物、自然、そこにある風景すべてが調和する「心地よさ」を、絶えず追求しているのです。

辞められては困る!長く働いてもらうために

代表取締役社長の澁江章子さん

マンションの一室で始まった小さな会社も、現在の社屋に移転してからは、人も増え、結婚や子育てをする社員も出てきました。そんな中、2016年に社長に就任した澁江さんは、「当事者に辞めてもらっては困る。優秀な人材に長く働いてもらうため、働きやすい制度を整備することにしました。外部から見ても、きちんとした会社だと認識してもらえるよう『整えどきだ』」と考えたそうです。

そこで、同社は、育児短時間勤務や短時間正社員制度の導入等に取り組んだところ、2017年に女性活躍推進の取り組みが優良な企業に与えられる「えるぼし(2段階)」認定を受けました。

「ハローワークに求人を出すと、『えるぼし』認定企業ということで、子育て中の方から応募があったのです。その方は現在、パート社員として働いています。新しい人材の確保にもつながり、働きやすい職場づくりを進めることが大切だと実感しました」と澁江さん。

代表取締役社長の澁江章子さんときむら まちこさんとむとう ゆみこさん

同社では、男女ともに育児休業取得の実績もあり、現在は、育児短時間勤務、短時間正社員を利用して、子育てをしながら働く社員もいます。「社外の方には『この社員は短時間正社員制度で、勤務時間は午後4時までです』と説明すると、先方もそれに合わせて仕事をやりくりしてくださいます」と澁江さん。

「『拘束時間が長い、残業が多い、休めない』建設業で、働きやすい職場づくりは新しいチャレンジです。育休で一時的に人は減りますが、長い目で見ると、優秀な人材が働き続けてくれることは、会社にとって良いこと。社員のライフステージに合わせ、長く働いてもらうにはどうしたらよいか、チャレンジを続けていきます」

短時間勤務で出産後も働き続ける 木村真智子(きむら まちこ)さん 入社13年 計画部門・課長

木村真智子(きむら まちこ)さん

私は育児休業を取得した後、職場復帰し、現在は育児短時間勤務で働いています。フルタイムで勤務していた時と比べると、働き方がガラッと変わりました。戸惑うことも多く、「慣らし運転」といったところです。

今はプロジェクトを担当せず、短時間勤務でどのように業務スタイルを確立していこうか、日々考えながら仕事をしています。

午前9時半から午後3時半まで働き、子供を迎えに行って帰宅。家のことをやって、手が空いたら、仕事のメールをチェックしたり、資料を読んだりしています。専門職なので、もともと仕事と家庭のボーダーはありません。仕事のことを頭に入れて翌日出社する、そのほうが仕事はやりやすいです。

私は管理職ですが、今は周りからサポートしてもらうことのほうが多いです。普段からチームで協力しながら仕事をする土壌があるので、有り難いと思っています。

実は、出産後も働き続けるのは難しいと思っていました。それは、出産前と同じように働くしか方法はないと思い込んでいたからです。それが、会社が育児短時間勤務制度を導入すると聞き、違う働き方もできるということに気づいたのです。復帰後の働き方を相談したうえで、育休に入ることができました。

専門職は働き続けることで、自分の技能も上がっていく、と実感しています。今では仕事を辞めずに、ほんとに良かったと思っています。

子供の成長に合わせてパートから短時間正社員へ 武藤由美子(むとう ゆみこ)さん 入社6年 計画部門

武藤由美子(むとうゆみこ)さん

私は出産のため一度退職した後、パート社員として復職し、現在は短時間正社員として働いています。子供が幼稚園に入園するタイミングで、会社から短時間正社員の話をもらいました。自分の能力に期待してもらえたこと、入園したら仕事の時間も長く取れるだろうということもあり、話を受けることにしました。

勤務時間は、午前10時~午後4時まで。出張が少ない現場を担当させてもらうなど、仕事の量を調整してもらっています。

パート社員との大きな違いは、プロジェクトの現場を担当できることです。地域に足を運ぶと、皆さんに顔を覚えてもらえるし、風景づくりの話をするのは面白いです。自分で考えて提案し、それが認められれば、発注先の担当者に私自身が説明することもできます。責任ある仕事を任され、より楽しく働けるようになりました。

短時間正社員になって意識しているのは、限られた時間の中で、いかに仕事を効率よく進められるかということ。短時間だからといって仕事の質まで下がらないように努力しようとしていますが、それでも厳しい場合は、早目にサポートをお願いして、チームの中で調整してもらう。 相談や協力を求めやすい環境にも感謝しています。

現在、夫のほうは、子供の事情で勤務時間を調整するのは難しいようです。男性も女性も同じように子育てできるよう、男性も制度を利用しやすい雰囲気が世の中に広がっていくことを願っています。

会社概要
株式会社エスティ環境設計研究所の外観

 株式会社エスティ環境設計研究所

 〒812-0028 福岡市博多区須崎町12-8

 代表取締役社長 澁江 章子

 ホームページ(外部リンク

 TEL:092-271-3606

 FAX:092-271-3662

 創業:1998年

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